世界遺産の島は、さすが温泉もスケールがでかい。島南部の平内海中温泉は文字通り「海の中」にある。入浴できるのは干潮時の4時間程度。脱衣所も視界を遮るものもなく、つい「開放的なのにも程がある」とぼやいてしまいそうな超・野天風呂だ。もちろん混浴。水着を着て入ろうものなら地元の爺さんに叱られる。険しい岩場の割れ目をコンクリートで補強しただけのダイナミックな湯船。底から泡が出ているのは、ここが源泉という証だ。硫黄と潮の香りが混じり合い、波しぶきをかぶる頃には“店じまい”となる。
近くの湯泊温泉も海岸の野天風呂。こちらは湯船が真ん中で男女に仕切られているが、立てば向こうが丸見えの高さ。若い女性が浸かっている間、湯船から出る勇気は私にはなかった。
温泉コラムニスト 湯煙泉太郎(ゆけむり・せんたろう)

